液タブを買おうと思ったとき、真っ先に悩むのが「WacomとXP-Pen、どっちを選ぶべき?」という問題ですよね。
Wacomは業界標準で安心感があるけど高い。XP-Penはコスパ最強だけど品質は大丈夫?そんな風に迷っている人も多いと思います。
この記事では、2026年の最新モデルを元に、ハイエンドとスタンダードの2パターンで徹底比較。スペックの数字だけじゃなく、実際の描き心地やサポート体制、そして「浮いた予算をどう使うか」まで含めて解説していきます。
まず結論から
先に結論を言っちゃうと、こんな感じです。
Wacomを選ぶべき人
プロとして活動する予定がある、仕事道具として長く使いたい、業界標準の環境が欲しい、サポート体制を重視したい。
XP-Penを選ぶべき人
初期投資を抑えたい、コスパ重視、浮いた予算を他の機材に回したい、まずは1台試してみたい。
どちらが「正解」というわけではなく、あなたの状況や目的次第。では詳しく見ていきましょう。
スタンダードモデル比較【初心者・副業デビュー向け】
「まずは1台」と考えている人が最も迷うボリュームゾーンの比較です。
| 項目 | Wacom Cintiq 16 | XP-Pen Artist Pro 14 (Gen 2) |
|---|---|---|
| 価格帯 | 約10万円〜 | 約6万円〜 |
| 解像度 | フルHD (1920 x 1080) | WUXGA (1920 x 1200) |
| 筆圧感知 | 8,192段階 (Pro Pen 2) | 16,384段階 (X3 Pro) |
| フルラミネーション | なし(画面とペン先に少し隙間) | あり(隙間がなく直感的) |
| 左手デバイス | 別売 | 標準付属 (ワイヤレスリモート) |
| こんな人に | 業界標準の安心感。中古市場でも値崩れしにくい | 付属品が豊富で、すぐに効率的な作業が可能 |
価格差は約4万円
スタンダードモデルでも約4万円の差があります。この4万円で何が違うのか見ていきましょう。
フルラミネーションの違い(体感できる)
Wacom Cintiq 16はフルラミネーションなし。つまり画面とガラスの間に隙間があって、ペン先と線の間に少し距離を感じます。
XP-Pen Artist Pro 14はフルラミネーションあり。ペン先が画面に直接触れているような感覚で、直感的に描けます。
これ、実は結構大きな違いです。特に初心者は「描きにくい」と感じる原因になることも。
左手デバイスの有無
XP-Penにはワイヤレスリモートが標準で付属。ショートカットキーを登録できるので、作業効率が上がります。
Wacomは別売なので、別途購入すると数千円〜1万円くらいかかります。
解像度の違い
WacomはフルHD(1920 x 1080)、XP-PenはWUXGA(1920 x 1200)。微妙にXP-Penの方が縦に広いですが、体感できるほどの差ではないです。
どっちを選ぶ?
Wacom Cintiq 16を選ぶべき人
Wacomブランドの安心感が欲しい、将来的に上位機種に買い替える予定(慣れのため)、サポート体制を重視する、中古で売るときの値崩れを避けたい。
フルラミネーションはないものの、Wacomのペンの描き心地は健在。10万円という価格も、液タブの中では「ちゃんとしたものを買う」ラインです。まずはWacomで慣れて、物足りなくなったら上位機種へ、というステップアップもスムーズ。
XP-Pen Artist Pro 14を選ぶべき人
初めての液タブでコスパ重視、フルラミネーションの快適さを体験したい、左手デバイスもセットで欲しい、浮いた4万円を他に回したい。
実は初心者こそフルラミネーションありを選ぶべきという意見もあります。「描きにくい」と感じて挫折するより、最初から快適な環境で始めた方が上達が早いからです。左手デバイスも付いているので、届いたその日から効率的な作業ができます。
ハイエンドモデル比較【プロ・本格志向向け】
最高峰の描き心地と、仕事道具としての信頼性を重視する人向けの比較です。
| 項目 | Wacom Cintiq Pro 17 (2023) | XP-Pen Artist Pro 18.4インチ (Gen 2) |
|---|---|---|
| 価格帯 | 約36万円〜 | 約14万円〜 |
| 解像度 | 4K | 4K |
| リフレッシュレート | 120Hz | 60Hz |
| 筆圧感知 | 8,192段階 (Pro Pen 3) | 16,384段階 (X3 Pro) |
| 色の正確さ | DCI-P3 99% / Pantone認証あり | sRGB 99.8% / Calman認証あり |
| 主な特徴 | 圧倒的なペンの追従性と視差の無さ | 16K筆圧による繊細なタッチと高コスパ |
| こんな人に | 描画速度と正確性が求められるプロ向け | 初期投資を抑えつつ4K環境を整えたい人 |
価格差は約22万円
まず目に入るのが価格差。Wacomが約36万円に対して、XP-Penは約14万円。差額は約22万円です。
正直、この差は大きい。新卒の初任給1ヶ月分以上の差額です。ただプロとして仕事を取るなら、半年〜1年で回収できる投資額とも言えます。趣味や副業レベルなら「さすがに高すぎる」と感じるのが普通でしょう。
リフレッシュレートの違い(120Hz vs 60Hz)
Wacomの120Hzは、ペンの動きがめちゃくちゃ滑らかです。特に速いストロークを描くとき、この差は体感できます。
ただし60Hzでも普通に描けます。「ヌルヌル感」を求めるかどうかですね。
筆圧感知について
XP-Penは16,384段階で数字上は圧勝。でもWacomの8,192段階も十分すぎるくらい繊細です。
むしろWacomの強みはペンの入り抜きの自然さやジッター(線の震え)の少なさ。これは数字に表れない部分ですが、長時間使うと違いが分かってきます。
どっちを選ぶ?
Wacom Cintiq Pro 17を選ぶべき人
すでにプロとして活動している、印刷物や商業案件が多い(色の正確さが重要)、描画速度を極限まで追求したい、予算に余裕がある。
プロの現場で「Wacomを使っている」というだけで信頼感が違います。クライアントとのやり取りでも「業界標準の環境で制作しています」と言えるのは強い。36万円は高いですが、仕事道具として5年使うなら月6,000円。そう考えると投資する価値はあります。
XP-Pen Artist Pro 18.4インチを選ぶべき人
これからプロを目指す、4K環境は欲しいけど予算は抑えたい、浮いた22万円を他の機材(PC、ソフト、資料代)に回したい、画面サイズを優先したい(18.4インチは作業しやすい)。
付属品が充実しているのもポイント。2種類のペン、左手デバイス、スタンド内蔵で、別途購入する必要がありません。「まず1台買って本格的に始めたい」という人には最適な選択肢です。14万円なら、バイト代を数ヶ月貯めれば手が届く範囲ですよね。
3つの比較ポイント深掘り
スペック上の数字と実際の描き味の違い
XP-Penは筆圧16,384段階と数字で圧倒しています。でもWacomは数字に表れない部分で優れているんです。
具体的にはこんな違い。
ペンの入り抜きの自然さがあって、線の始まりと終わりがスムーズ。ジッター(線の震え)の少なさもあり、ゆっくり線を引いてもガタガタしません。そして視差の少なさで、ペン先と線のズレが最小限。
これらは長時間使うと「疲れにくさ」につながります。プロが高くてもWacomを選ぶ理由の一つです。
アフターサポートと耐久性
「仕事道具」として考えるなら、故障時のサポート体制は重要です。
Wacomのサポートは国内メーカーで修理対応がスムーズ。サポートセンターの対応が丁寧で口コミ評価も高いです。修理パーツの入手もしやすい。
XP-Penのサポートは海外メーカーですが日本語サポートあり。対応は可もなく不可もなく。初期不良対応は比較的早いです。
「壊れたときに困るのは嫌だ」という人はWacom、「その分安い方がいい」という人はXP-Penですね。
浮いた予算の使い道
XP-Penを選んで浮いた予算(4万〜22万円)を、他の投資に回すのも一つの戦略です。
例えばこんな使い方があります。
左手デバイスとしてTourBox(約3万円)で作業効率が2倍に。高性能な椅子ならエルゴヒューマン(約10万円)で腰痛を防げます。長時間作業するなら椅子への投資は必須。資料代に使えば写真集、ポーズ集、参考書が20冊以上揃います。ソフトのアップグレードでCLIP STUDIO PAINT EXやAdobe CC年間契約も可能。PC本体の強化としてメモリを16GB→32GBに増設すれば、重いファイルもサクサク動きます。
実際、プロの中にも「液タブはXP-Pen、浮いた予算でPCとソフトを強化した」という人は多いです。トータルの作業環境で考えると、こちらの方が効率的な場合もあります。
液タブだけに全予算を使うより、バランスよく環境を整える方が結果的に満足度が高いことも。特に初心者〜中級者なら、XP-Penで十分なクオリティの作品が作れます。
目的別おすすめ診断
あなたに合うのはどれ?簡単診断してみましょう。
【パターン1】初めての液タブ、予算10万円以下
XP-Pen Artist Pro 14 (Gen 2)がおすすめ
フルラミネーションと左手デバイス付きでコスパ最強。初心者が「描きにくい」と挫折する要因を最初から排除できます。届いたその日から快適に描き始められるのが最大のメリット。
迷っているなら、まずはこれ。後悔する可能性が一番低い選択肢です。
【パターン2】Wacomブランドが欲しい、予算10万円
Wacom Cintiq 16がおすすめ
業界標準の安心感。「Wacomで描いてる」という自信は、モチベーションにつながります。将来的な買い替えもスムーズだし、中古で売るときも値崩れしにくい。
ブランドにこだわりたい、長く使いたい、そんな人はこれ一択。
【パターン3】本格的に始めたい、予算15万円以内
XP-Pen Artist Pro 18.4インチがおすすめ
4K環境を低予算で実現できます。画面サイズも18.4インチで作業しやすく、2種類のペンと左手デバイス付き。14万円でこのスペックは破格です。
「これから本気でやる」と決めた人に最適。付属品が全部揃っているので、追加投資なしで始められます。
【パターン4】予算は気にしない、最高の環境が欲しい
Wacom Cintiq Pro 17がおすすめ
120Hzの滑らかさと色の正確さは別格。プロ御用達の最高峰モデルです。商業案件やプロ活動を視野に入れているなら、最初から最高のものを選ぶのも一つの手。
妥協したくない人、プロとして活動する人は、迷わずこれ。
よくある質問
- Q筆圧感知は8,192と16,384でどれくらい違う?
- A
正直、体感できる人は少ないです。8,192でも十分繊細。それより「ペンの追従性」や「視差」の方が描き心地に影響します。
- QXP-Penは壊れやすいって本当?
- A
一概には言えません。初期不良のリスクはどちらにもあります。ただしWacomの方が耐久性の評価は高いです。
- Q中古で買うのはあり?
- A
Wacomは中古市場が充実していて、比較的安心。XP-Penは新品価格が安いので、わざわざ中古を選ぶメリットは少ないかも。
- QMacとWindowsどっちでも使える?
- A
両方とも対応しています。ただしドライバの相性問題は稀にあるので、公式サイトで最新ドライバを確認してください。
- QiPad Proと比べてどう?
- A
iPad ProはApple Pencilの描き心地が最高ですが、画面サイズが小さい(12.9インチまで)のと、PC用ソフトが使えない制約があります。本格的なイラスト制作なら液タブの方が選択肢が広いです。
まとめ
Wacom vs XP-Penの比較、いかがでしたか?
最後にもう一度整理しますね。
Wacomの強みは業界標準の安心感、ペンの自然な描き味、サポート体制、資産価値の高さです。プロや本格派向け。
XP-Penの強みは圧倒的なコスパ、フルラミネーション標準装備、付属品の充実、浮いた予算を他に回せることです。初心者〜中級者向け。
どちらが「正解」ということはありません。あなたの予算、目的、これからの活動スタイルに合わせて選んでください。
迷ったらこう考えよう
「とにかく安く始めたい」→ XP-Pen Artist Pro 14(約6万円) 「4K環境が欲しい」→ XP-Pen Artist Pro 18.4インチ(約14万円) 「Wacomが欲しい」→ Wacom Cintiq 16(約10万円) 「最高の環境」→ Wacom Cintiq Pro 17(約36万円)
正直、どれを選んでも後悔はしません。大事なのは「買ってから、どれだけ描くか」です。
液タブは長く使う道具です。3年、5年と使い続けることを考えれば、今の投資は必ず回収できます。特にSkebやFANBOXで収益化を考えているなら、液タブは「経費」として回収可能な投資です。
「もう少し考えてから…」と先延ばしにすると、結局買わずに終わることも。今この記事を読んでいるということは、すでに「欲しい」と思っているはず。
だったら、今日決めちゃいましょう。明日から、新しい液タブで描く生活が始まります。

