同人誌は誰でも作って販売できますが、流れや作り方を把握していないと、売れ残りの山を抱えることになりかねません。
この記事を読めば、初心者でも迷わず一冊の本を完成させてイベントで販売できるようになります
- 参加イベントの探し方・サークルカットの描き方
- プロット・ネームから入稿までの原稿作業の流れ
- 印刷部数・書店委託・デジタル販売の決め方
- 頒布価格の設定(計算式つき)とイベント当日の準備

参加するイベントを探す
まずはどのイベントに参加するかを決めることから始めましょう。自分が活動している界隈のサークルがどのイベントに参加しているかを事前にリサーチしておくと、選択肢が増えてスムーズに決めることができます。
テーマを決める
恋愛・学園もの、かっこいいキャラクター、かわいいキャラクターなど、テーマはさまざまです。
初めのうちはこだわりすぎず、自分に合ったシンプルなテーマを選ぶと失敗が少なく済みます
初参加で不安な場合
知り合いのサークルと相談のうえ、隣接配置を運営に依頼する方法もあります。
ただし、申し込み締め切り直前などの繁忙期を避けて問い合わせましょう。
あなたが活動している界隈のサークルさんたちが参加しているイベントも事前にリサーチしておくと選択肢が増えてよりスムーズに決めることができます。
サークルカットを描く
参加するイベントのサイトにテンプレートが用意されているので、それを使って描きます。モノクロ・カラーの指定はイベントごとに異なるため、事前によく確認しましょう。

サークルカットには、サークル名・頒布予定作品のジャンル・既刊情報などを記載するのが一般的です。
プロットやネームを作成する
プロットとは物語全体の設計図のようなもので、漫画の方向性を保つうえで非常に重要な工程です。
ここでしっかりしたプロットを書いておけば、その後の作業がぐっと楽になります。試行錯誤しながら自分に合った方法を見つけていきましょう。
印刷所と仕様を決める
この段階では見積もりのために、おおまかな仕様を決めます。
入稿時に内容が変わっても問題ありませんので、まずはざっくりと以下を決めておきましょう。
- 印刷部数(目安でOK)
- ページ数(プロットを参考に概算)
- 本のサイズ(B5・A5・文庫など)
- 特殊加工の有無(箔押し、マット加工など)
以下では同人誌おすすめの印刷会社を詳しく比較しています。
実際に描いていく
いよいよ原稿作業です。一般的な流れは以下のとおりです。
- ラフ
- ネーム(コマ割り・セリフの配置)
- 下書き
- 写植(セリフをデジタルでコマ内に配置する作業)
- ペン入れ
- トーン・ベタ塗り
原稿作業を楽にするコツ
作業通話を活用する
同じイベントに参加するサークルと作業通話をすると、モチベーションが上がりはかどります。
作業の工程によっては無言になることもあるので、お互いにストレスにならない相手と行うのがおすすめです。
外で作業する
家だとゲームなど誘惑が多い場合は、iPadやアナログ原稿を持って漫画喫茶や空いた時間帯のカフェで作業しましょう。ドリンクバーがあり資料探しにも最適です。
飽きたら表紙を描く
モノクロ作業に飽きたら、表紙などのカラーイラストを合間に描いてモチベーションを維持しましょう。
SNSでページを宣伝する
ネタバレや成人向けページに注意しつつ、公開可能なページの一部をSNSに投稿しましょう。
フォロワーの反応を見て印刷部数の予測を立てる指標にもなります。
入稿する
印刷会社によって入稿方法が異なるため、サイトをよく読んで行いましょう。印刷所によっては、原稿と一緒にポスターを発注すると、ポスター代が無料になる場合があります。
ポスターが必要な方は忘れずに確認してください。
印刷部数を確定する
部数を決める際の参考として、以下の点を考慮しましょう。
- 会場で頒布する部数
- 書店委託する部数(50〜100部が目安)
- デジタル販売も行う場合はその分を印刷部数から減らす
- 副業禁止などで確定申告を避けたい場合は、会場で売り切れる程度の部数を目安にする
書店委託について
直接委託が可能な印刷所を利用する場合、入稿前に委託先の書店と部数の打ち合わせを済ませておくと、入稿時に配送先と部数を伝えるだけで手配が完了します。会場での荷造りの手間が省けて非常に便利です。
会場で売れ残った場合は、BOOTH等の通信販売や次回イベントでの既刊販売として活用できます。
よく使われる書店委託先は以下です。
デジタル販売について
オリジナル作品であればデジタル販売も検討しましょう。なお、二次創作は原作者・版権元の規約によってデジタル販売が制限・禁止されているケースが多いため、事前に利用規約を確認することが重要です。
デジタル販売にはpixivが運営するBOOTHが初心者にもおすすめです。

イベントの準備をする
頒布価格を決める
相場や周りのサークルの価格帯を参考にすれば大きく外れることはありません。ただし遠方から飛行機等で参加する場合、交通費が大きくなるので慎重に設定しましょう。
相場価格の求め方
【本文モノクロ・フルカラー表紙の場合】
| サイズ | 基本の算定式 |
|---|---|
| B5 | ページ数×10円+100円(カラー表紙印刷費) |
| A5 | ページ数×10円+100円(カラー表紙印刷費)×0.8(本のサイズによる価格調整) |
| 文庫 | ページ数×10円+100円(カラー表紙印刷費)×0.5~0.6(本のサイズによる価格調整) |
表紙・本文フルカラー
| サイズ | 基本の算定式 |
|---|---|
| B5 | ページ数×20~30円 |
| A5 | ページ数×20~30円×0.8(本のサイズによる価格調整) |
| 文庫 | ―(一般的ではないため割愛) |
もっと詳しく同人誌の値段の付け方に関してまとめた記事があるので是非そちらを参考にしてみてください。
SNSで告知する
イベント1週間前を目安に、TwitterやpixivなどのSNSでお品書きを公開しましょう。余裕があればサンプルページも準備するとより効果的です。
設営のレイアウトを考える
1スペースあたりの目安は幅90cm × 高さ70cm × 奥行き45cm程度です。販売規模に合わせたレイアウトを考えておきましょう。
持ち物リスト
- サークルチケット
- 身分証明書
- 感染症対策グッズ
- お釣り用の小銭(会計がスムーズになるよう500円・100円を多めに用意)
- 小銭入れ・お札入れ
- 敷き布
- 値札
- ポスター・ポスタースタンド
- 筆記用具(ボールペン、マジック、カッターなど)
- ガムテープ
- ゴミ袋
- 差し入れ など
イベント当日
案内されたサークル入場時間を確認し、設営にかかる時間を逆算して余裕をもって入場しましょう。
搬入について
印刷所からイベント会場への直接搬入サービスを利用した場合は、当日の荷物を大幅に減らせます。搬入物が多い場合は宅急便で事前に会場に送る方法も検討しましょう。
会計について
釣り銭は多めに準備しておきましょう。近年はPayPayなどの電子決済に対応するサークルも増えています。導入を検討する場合は、事前に設定を済ませておくとスムーズです。
体調を整えるため十分な睡眠を取り、当日のアフターも余裕をもって楽しめるよう準備しましょう。
同人誌制作と販売に関するよくある質問
初めて同人誌を作る方が特につまずきやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
- Q初めての参加ですが、部数は何部刷るのが正解ですか?
- A
まずは「20〜30部」を目安にするのがおすすめです。
完売を恐れて多く刷りすぎると、在庫の保管や赤字がプレッシャーになります。「足りなくなったら後で再販・WEB公開すればいい」という気楽な気持ちで、まずは確実に手に取ってもらえる少なめの部数から始めるのが、イベントを長く楽しむコツです。
- Q赤字にならないようにするためのコツはありますか?
- A
「早期入稿割引」の活用と、無理のないページ数設定が鍵です。
印刷所の「早割(10〜30%OFFなど)」を狙うだけで、原価を大幅に下げられます。また、最初は欲張ってページ数を増やさず、12〜20ページ程度の薄い本からスタートして、印刷費を抑えるのが現実的です。
- Q1冊あたりの販売価格はどうやって決めればいいですか?
- A
「原価の2〜3倍」または「イベントの相場(ワンコイン等)」を基準にします。
基本は赤字にならないよう計算しますが、同人誌即売会では「500円(ワンコイン)」や「1,000円」といった、お釣りが出にくいキリの良い数字が好まれます。まずはイベントのジャンル相場をリサーチしてみましょう。
- Qデジタル版(DL販売)と紙の本、どちらが良いですか?
- A
両方並行するのがベストです!
イベント会場での「交流」や「所有感」を重視するなら紙の本、遠方のファンや手軽さを重視するならBOOTHなどのDL販売が向いています。紙の本が完売した後の「受け皿」としてDL版を用意しておくと、機会損失を防げます。
まとめ
同人誌制作の大まかな流れをまとめました。テーマ決め・サークルカット・プロット・原稿・入稿・イベント準備・当日という流れを把握しておけば、初参加でも焦らず進められます。細かいノウハウはそれぞれの工程でさらに深掘りしていく予定ですので、引き続きよろしくお願いします。それでは良き同人ライフを!




